-紫翼-
一章:聖なる学び舎の子供たち

05.緊急事態発生



 外に出ると、入り口の先にセライムの後姿が見えた。
「お、セライム」
「――ああ、ユラスじゃないか」
 青の瞳が呼びかけに答え、俺を見止めるなり笑ってみせる。俺は首を傾げて尋ねた。
「どうした、こんなところで」
「フェレイ先生のところに行こうと思ったんだがな――」
 セライムは言い淀み、がっかりした面持ちで正門の方を見やった。俺もセライムの言わんとすることを悟って、頬を指でかく。こいつもレイン先生にひきずられてゆくフェレイ先生を目撃したんだろう。
「先生、病院が嫌いなのか?」
「ああ。何故だろうな――前々から病院の近くには寄ろうともしないし、話題に上るだけで逃げ出したりする」
 不思議だ、とセライムは腕を組んで苦笑した。セライムがそう言うくらいなのだから、やはりフェレイ先生の病院嫌いは並々ならぬものがあるようだ。
 学園の中で、ここは正門から広場を突っ切った正面に位置する。右手に見えるのが幼学院、左手に見えるのが中等院。高等院は俺たちの背後、中央棟の奥にある。広場を眺めると、生徒たちがぱらぱらと歩いているのが見えた。まだ夕暮れというには早い時間、これから都市にくりだす者も多いのだろう。
「ところでセライム、フェレイ先生に何の用だったんだ?」
「えっ」
 俺が問うと、青の瞳が慌てたように揺れる。セライムは誤魔化すように何度も瞬きをしながら、視線を地に這わせた。
「……いや、まあ、そうだ。少し話があって――あ、でもそんなに大切な用向きではない。ほ、本当だぞ。また日を変えて来てみることにする、決して焦ることではないんだ」
 まるで自分に言い聞かせるように頷くと、お前はどうなんだと訊いてきた。どう見ても不審だったが、本人がよしとしているようなので、その点については追及すまいと思う。だから俺は論文のことについて簡単に説明してやった。
「そういえばお前、あの研究室に行ったんだったな」
 セライムはそう言って、まじまじと見つめてくる。なんだか、よく五体満足で戻ってこれたとでも言いたげだ。
「なあ、失礼なことを訊くようだが――あそこの先生、本当に実在する人物なのか?」
 シアの心境をこれでもかというくらいに味わう俺である。
「あ、ああ。とりあえず生きてたしちゃんと人らしき形は留めていたぞ」
「ほ、本当かっ? そうか……。キルナのあれはやはり冗談だったのだな」
 ほっとしたように胸に手をやるセライム。見た限りキルナにあることないことを吹き込まれたのだろう。だが確かにあの引きこもりっぷりでは勘違いされても仕方がないと思う。
「角が生えていたり、鱗で覆われた尻尾があったり、見た瞬間に石化するなんてことはやはりないんだな――安心した」
 ……キルナ。お前は何を吹き込んでいるんだ。
 するとセライムは気分を入れ替えるようにくっと腕を伸ばして、何歩か足を踏み出した。
「ああ、結局ここに来たことも骨折り損に終わってしまったな。ユラス、お前はこれからどうする?」
「ん、俺はハーヴェイさんとこ」
「なら途中まで一緒に行くか。私もこれからカレンジュラに行くんだ」
 カレンジュラとはセライムが働きに行っている喫茶店の名前だ。大通りを鷹目堂よりも先に行った辺りにある。
 俺はそれに答えて歩き出した。正門前に広がる石畳の広場には中央にウェリエル・ソルスィードの銅像が建ち、花壇が華々しく取り巻いている。学園では最も開けた場所で、駅前広場ほどは広くないものの、吹き込んでくる風がなんとも心地良い。
「それで、授業はどんな感じだった」
「第一考古学の人が殴りこみにやってきてウチの生徒が迎え撃っていたぞ」
「……教育にも様々な形があるんだな」
 その様子を想像しようとしているのか、難しい顔のままセライムは頷く。だが、ふと何かを思い出したようにぱっと顔をあげた。
「もしかするとその第一考古学の人とはグリッド先輩のことじゃないか?」
「んな?」
 俺は首を傾げる。そういえば、結局名前を聞きそびれてしまっていたのだ。その人の容姿について説明してやると、セライムは確信を得たように頷いた。
「ああ、それはグリッド先輩に間違いない。第一考古学と第二考古学の不仲は有名な話だからな」
 そりゃあれだけの口論を繰り広げてたら有名にもなるだろう。シアとグリッド先輩、学園内で鉢合わせでもしたらと考えるとそれこそ壮絶な光景が目に浮かぶ。
「……でも、良かった」
 ふと、俺は横に並ぶセライムに視線を投げた。セライムは端整な顔に零れるような笑顔を浮かべてこちらを向く。
「中々楽しそうにしてるじゃないか、お前は」
 まるでセライムの方が楽しげな、そんな言葉が風を震わせて。
「そ、そうか?」
 そういわれても、あまり実感がわかない。確かに実際に俺はこの生活を楽しんでいるのだろうけれど。傍から見てもそんなに楽しそうに映るんだろうか。
「フェレイ先生もキルナも、皆、心配していたんだぞ。ほら、編入生という立場には何かと不安がつきまとっていたろう」
「先生も……キルナも?」
 フェレイ先生はともかくとして、キルナまで俺のことを心配していたというのは不思議な感じだ。当たり前じゃないか、とセライムは口を尖らせた。金髪はこの大陸ではありふれたものだが、セライムほど長く流しているとそれだけで自然と目をひく。風にそれらがなびくたびに、素直に見事だと思う。
 そんな髪をセライムは軽く後ろにはらって、俺から視線を外し真っ直ぐ前を見た。まるで何百年も前の騎士のような強い光をそこに宿して。人通りの多い道の中、しかしここだけがどこか遠い世界になったのではないかと錯覚を覚えるほどに。――鷹目堂は、もうすぐそこだった。
「だから、あまり心配をかけないように頑張らなくてはな」
 ふっと長いまつ毛を伏せて、自分の胸に手をやって。
「心配してくれる人に答えるには、精一杯に笑えるよう頑張っていられるのが一番いい」
 ケープに吊り下がった学年証を握り締めて、セライムは強く頷いた。まるで、自分自身に向けて言葉を紡いでいるようだった。一瞬、その表情に憂いのようなものが見えたのは、気のせいだったのかもしれない。俺が目を瞬いた後、隣にいたのはいつものように背筋を伸ばしているセライムだった。そこで鷹目堂の看板前に辿りつく。
「また明日な」
「ん、お前も頑張れよ」
「ああ、勿論だ」
 挨拶が終わると、セライムはくるりと踵を返して歩き出した。
 俺は暫くそんな後姿を眺める。波打つ金髪を揺らして、颯爽とセライムは道を行く。
 不思議な奴だと思う。ひたむきなまでに真っ直ぐとした瞳は、とても遠い所を見ているようだった。
 ――ふっと、その後姿が陰った気がした。風景が闇にとろけたのは、風が止んだ瞬間だった。
 黙ってこちらを見つめていた瞳があった。儚いとすら思えるほどひたむきに、じっと思いつめた顔でこちらを見ていた。
 薄ぼんやりと、影が散乱していた。空気は僅かたりとも揺るがなかった。時は限りなく突き詰められて、止まっているかのようだった。
 そして、何もかもを破ったのは――、

「……ぁ」
 危ないな、と思ったときには手に壁の感触。反射的に手をついていたようだ。視界が揺らいだような錯覚に襲われていたのだと、何秒か遅れて気付く。
 だから、その不快感を頭の中から振り払おうとした。そのままでいると、何か深いものに呑まれてしまう気がしていた。
「なん、だ……?」
 意識を外に向ければ、そこは相変わらずの見慣れた景色。夢から覚めた直後のような現実感のなさに囚われながら、何度かかぶりを振る。
 もう一度見直した時、迷いなく次に次にと足を踏み出していくセライムの後姿は通りの向こうに霞んでいた。
 だから俺も傾いだ何かを抱えたまま、鷹目堂へと入った。


 ***


 学園生活の午前中は全員が一緒の教室に入って必修科目を受けることになっている。それらが終わって昼休みを挟んだ後、生徒たちは各自の研究室へと向かうのだ。
「ユラス、さっさと食堂に行かないと混むよ」
「ん」
 午前の授業が終わると共にそそくさと荷物をまとめたスアローグにせかされて、俺も手早く鞄に持ち物を詰めて立ち上がった。
 グラーシア学園では幼学院のみ三食給食制で、中等院と高等院の生徒が腹を満たすには購買か食堂に行くしかない。もちろん有料だ。
 在学している生徒の最低限の生活は国から保障されているわけだから、無償にしてくれたっていいじゃないかとも思うが、流石に学園側も食べ盛りの生徒数千人の腹を満たすだけの経費はかけられないらしい。だが建前上、どうしても金がないという場合のみ幼学院の給食を無償でわけてくれるという話である。――金ではなく、プライドを引き換えにして。
 ハーヴェイさんが気をきかせて早めに給料をくれたお陰で、俺は悠々と食堂に向かうことができていた。しかもセライムの言った通り、かなり良い金額だ。この分だったらこれからも生活面で困ることはそうあるまい。
 でもそれからすると、実家から仕送りをしてもらっているスアローグは幾分羨ましくもなる。散財したら真っ先にたかってやろうと思う。
「何こっちを獲物を狙う目で見ているんだい」
「……ふっ、俺が破産するときを楽しみにしておけ」
「わけがわからないよ」
 授業が終わると廊下は食堂へと向かう生徒でにわかにごった返す。中等院と高等院の生徒が集う食堂はタイミングを逃すと時間内に食事に辿り着けないことすらあるのだ。特に食べることに貪欲な年頃の連中には鬼気迫るものがある。席取りから列の割り込み、そこここでのトラブルなど、ここは生徒たちの駆け引きが飛び交い弱肉強食主義が支配する昼の戦場なのだ。
「相変わらずすごいな」
 朝の始業前三分の通学路とはまた違った空気である。なんというか――皆、かなり殺気立っている。
 そんな中、食堂の広い入り口をくぐろうとした時だった。
「ユラス・アティルドじゃないか」
「んな? ……って、」
 振り向いた俺は、言葉を切った。
 ――緊急事態発生のベルが、脳内で激しく打ち鳴らされる。普段の顔からしてどこか不機嫌そうな、赤い髪の男子生徒――グリッド先輩が、人ごみの中に立っていたのだ。
 ケープについている学年章の色から上級生と判断したスアローグが、厄介事かと訝しげな視線を俺に投げかけてくる。俺も正直逃げ出したかったが、なるべく穏便に事を済ませられることを願いながら用件を促した。
「丁度いい。少し付き合ってもらう」
 眼鏡の位置を指で直しながらグリッド先輩が放ったセリフは、拍手を贈りたいくらいに最悪であった。
「じゃあ、僕はこれで」
「待て」
 嫌な予感を直感で感じ取ったらしきスアローグがそそくさと場を離れようとするが、後ろに束ねた髪を掴んでその場に留める。ここでこの先輩と二人きりになるのは避けたい。
「ぐえっ」
 思いっきり髪を引っ張られて悲鳴をあげるスアローグを鮮やかに無視して、俺は人ごみの邪魔にならないように歩き出しながら言った。
「それじゃ先輩、一緒に食事しながらでも」
「そのつもりだ」
 グリッド先輩は笑みすら見せずにつかつかと俺を追い抜かして食堂へと入っていく。
「……ユラス」
「運命だと思ってくれ」
 恨みがましい目で睨んでくるスアローグの肩を叩いてやって、俺も人の流れに乗って食堂に入った。


 ***


「……」
「……」
 今日も生徒でごった返す食堂の一角にて。
 グリッド先輩は、この世の終わりを見たかのような顔で目をひん剥いていた。
 スアローグは、額に人差し指をめり込ませるようにして溜め息をついていた。
「相変わらず、よくそんなものが食べられるものだね……」
「うん?」
 席に着いた俺は、目の前のそれに頬が緩むのを抑えきれずにいる。
 通常の食事は控えめに、だがそれ以上の鮮烈な輝きをもってして、それはそこにあった。そびえ立っていた。
 細さを際立たせながらもしっかりと質量感をもつ、美しいガラスのフォルム。透明なその奥に見えているのは、目が覚めるような赤とクリーム色のコントラスト。花が開いたようなガラスの頂上には特大のプリンが盛られ、それでも足りぬといわんばかりに溢れんばかりのクリームが取り巻く。最も高い位置に添えられた赤い実が全体の醸す空気を引き締め、そうして俺を迎えてくれていた。
「……なんだ、それは」
「ジャイアントプリンパフェこってり風味でクリーム二倍にしてもらいました」
 うっ、とグリッド先輩の顔が引きつった。顔色も心なしか青白い。
 ちなみにクリーム二倍というのは食堂のおばちゃんの好意だ。毎日何かしらパフェを頼むものだから、気前も良くなりつつある。スアローグは今でこそ眉を潜める程度になったが、はじめはグリッド先輩と同じ反応を示していた。
「……先輩、これはもう病気なので。見ないことにするのが得策です」
「病気とは失礼な。俺の生命の源だ」
「ま、まあ人の嗜好にも色々ある」
 ずれかけた眼鏡を指で直しながら何度も頷くグリッド先輩。現実を飲み込もうと必死の様子だ。
 そうしてコホン、と気分を入れ替えるように堰をすると、人差し指で眼鏡を押し上げ、古文書を読むときのような表情で俺を見た。
「さて、ユラス・アティルド」
「なんでしょうか」
「学園に来て日も浅く、頼れる友人が少ないのはわかってる」
「はい?」
「だがそうやって優秀な人材がゴミ溜めに放り込まれることを黙って見てはいられない」
「……えっと」
「正直に話すんだ」
 グリッド先輩は机の上で拳を握ると、眼光鋭くこちらを見据えた。
「あの女に何をされた?」
「……」
 ええと。
 あの女って。
「ヴィエル先輩ですか?」
「それだ」
 名前を聞くのも不快だ、といわんばかりに先輩は顔をしかめる。
「ヴィエル先輩って、あの桃色の髪の?」
 スアローグが多少興味を持ったのか口を挟んでくる。するとグリッド先輩は重々しく頷いた。
「何故あんな女がグラーシアに入学してきたのか全くもって理解不能だ。学園としても多くの落第者をだすことはグラーシアの評判を落とすことにも繋がるから、そう簡単に退学させることができないのもわかるが――」
 俺はプリンを口に運びながらヴィエル先輩の顔を思い浮かべる。
 そんなに問題がある人だろうか。確かにタバコは校則違反だし、制服の着方にも問題はあるだろう。だが、話してみると悪い人には見えないのだが。
「ユラス、そのヴィエル先輩という人と何かあったのかい?」
「あの女のお陰で第二考古学なんて研究室に入らされたんだ、ユラス・アティルドは」
「え、ユラスが専攻教科決めたのって、あみだ――ぐあっ!」
 グリッド先輩に聞かれたらそれこそ首を絞められそうなことを口走りかけたスアローグは、足を踏んずけて黙らせておく。
「どうかしたか?」
「いえ、なんでもないです。でも先輩、ヴィエル先輩ってそんなに酷い人なんですか?」
 ぴくぴくと悶えているスアローグを横目に問うと、グリッド先輩は不機嫌さを露にして赤い髪をかきあげた。
「当たり前だ! あんな格好で外を歩いていると考えるだけで虫唾が走る! しかも門限破り常習犯、夜はふらふらと都市のいかがわしい通りで遊んでいると本人直々に公言してくれる! そんな女がグラーシアの制服を着ているなんて冗談ではない」
 ふん、と鼻を鳴らしてふんぞり返る。
「とにかく、だ。ユラス・アティルド、人生についてよく考えろ。今ならまだ間に合う」
 そうグリッド先輩は残して席を立った。いつの間にか空になっていた容器を持ち上げて、つかつかと去っていってしまう。
「ユラス、君は僕の足の指を潰す気かい……?」
「不可抗力だ」
 俺はスプーンをくわえたまま頬杖をついた。スアローグも溜め息をついて背もたれに背を預ける。
「全く君は、編入早々に面倒事を起こすなんて」
「んー、俺にはそんなにヴィエル先輩が悪い人には思えないんだけどな」
 するとスアローグはぼんやりと人の流れを眺めながら腕を組んだ。この時間帯の食堂は戦場のごとく騒がしく、がやがやと耳に届く声がうるさい。スアローグが次の言葉をぼそりと呟いたのは、俺が最後の一口を飲み込んでからだった。
「まあ、あの先輩には特別だろうね」
「ん?」
 その一言が引っかかって視線を横に投げると、スアローグは淡い金髪を引っ張って、これだよ、と呟いた。
「髪? それがどうした?」
「はあ……知っていないわけじゃあるまいね、キヨツィナ大陸北部の因習」
 キヨツィナ大陸北部の因習。
 ……知っているか?
 考えてみる。
 記憶を探るのではない。ただ頭の中の知識を探る。
 ――知っている。
 暗い海の中から浮かび上がるそれを、本棚から引き抜くように取り出した。

 赤や紫の髪が多いキヨツィナ大陸北部、それも山間の村では、非常に低い確率で生まれる桃色の髪の子供を色魔の生まれ変わりとして差別し、排除する習慣がある。桃色の髪の子は生まれたその日に心臓を銀の杭で穿って殺さなければならないのである。
 もちろんそれは錆びた昔話で、今では桃色の髪を持つ者たちの人権も認められている。しかし悲しいもので、取り繕われたのは上辺だけといえるのかもしれない。桃色の髪の人間はそれだけで腫れ物に触るような扱いをされたり、奇異の目を向けられ、あるいは忌み嫌われることも未だにあると聞く。
 ……そうか。
 グリッド先輩の赤い髪はキヨツィナ大陸北部の出身者の証。つまり、ヴィエル先輩と同じ地方の出身ということだ。その点、俺たちとは違った見方を持っているのかもしれない。
「ユラス、聞いているかい?」
「んな?」
 ふっと意識を外に向けると、スアローグが訝しげな視線をくれているのに気付いた。
「ん、どうした?」
 スアローグは黙ってこちらを数秒見やった後、ふいっと窓の外に顔を向ける。
「まあ、君がどうするかは自由だけどね」
 俺もなんとなしに同じ方を向いて、そしてスアローグの行動の真意を知った。
「……んな」
「あれ、止めた方がいいんじゃないのかい?」
 窓からは広場の様子がよく見える。穏やかな日常に埋没するかのような木々の向こう、そこには二人の生徒が緩やかな時間をぶっとばす勢いで口論していた。
 よくよく見なくとも、シアとグリッド先輩だった。
 ……本気で、第一考古学に移ろうかとちらっと考えてしまった瞬間だった。




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